テキスト版/瞑想系キレキレ身体動作法《補足編》2/2

心における「振り返りの時間幅」&「先回りの時間幅」

ところで心の動きには、過去を振り返る動きと、未来に先回りする動きの二種類があることは前述の通りですが、これら二つのものの間には面白い関係があります。 それは、次のようなものです。

心が過去を振り返った時の「振り返りの時間幅」と、心が未来に先回りした時の「先回りの時間幅」は基本的に同じになる。

分かりにくいでしょうか?

これについてご説明するためにはまず、ここに言う「振り返りの時間幅」、および「先回りの時間幅」なるものの意味を明らかにしておかねばなりませんね。

ここに言う「振り返りの時間幅」とは、心が過去を振り返った時の振り返った時間の幅というか時間的距離を指します。 なので例えば、心が一瞬の過去、つまり一瞬前を振り返った時の「振り返りの時間幅」は一瞬ということになるわけです。

そして、ここに言う「先回りの時間幅」とは、心が未来に先回りした時の先回りした時間の幅というか時間的距離を指します。なので例えば、心が一瞬の未来、つまり一瞬先に先回りした時の「先回りの時間幅」は一瞬ということになるわけです。

ここで用いた一瞬という言葉は、例えば、コンマ五秒とか、一秒とか、一分とか、五分といった、具体的な数値が含まれた言葉と置き換えができるのは言うまでもありません。

以上を踏まえた上であらためて申し上げますと、心が過去を振り返った時の「振り返りの時間幅」と、心が未来に先回りした時の「先回りの時間幅」は基本的に、あくまでも基本的にですが、同じになります。

なので例えば、心が一瞬前だけを振り返り、それを超える過去は振り返らないようにした場合、心が先回りできるのは常に一瞬先までとなり、それを超える未来には先回りできなくなる、というわけです。

これをもっと分かりやすく言うと、こうなります。 心が一瞬前だけを振り返るようにすると自動的に、心は一瞬先までしか先回りできなくなる。

先に私は、心は過去を振り返ることを一切しなくなると自動的に、未来に先回りすることも一切しなくなる、といった話をいたしましたがこれは、今お話ししたことと根っこにあるものは同じです。

「瞬間の今」=一瞬前から一瞬先までの時間の幅を持つ今

話は変わりますが、ここでもう一度焦点を当ててみたいのは「瞬間の今」です。「瞬間の今」というものをここでもう少し掘り下げてみたいと思います。

「瞬間の今」というのは既にお話ししましたように、瞬間という時間の幅を持つ今のことに他なりません 。が、ここに言う瞬間という時間の幅なるものは、その意味合いを考えますと、次のような言い回しで表現することもできます。 一瞬前から一瞬先までの時間の幅。

従って「瞬間の今」というのは、一瞬前から一瞬先までの時間の幅を持つ今、と言い換えることも可能です。 一瞬前から一瞬先までの時間の幅を持つ今、これが詳細に見た「瞬間の今」というものなんですね。

心を「瞬間もない今」に持ってゆくと真我が発現するが、心を「瞬間の今」に持ってゆくと潜在意識が発現する。

時間の幅を全く持たない「瞬間もない今」と、そんな「瞬間の今」を見比べた時、見えてくる違いの中で最も大きいのは次のようなものです。 私たちから見て、「瞬間もない今」が真我が発現する場所であるのに対して、「瞬間の今」は潜在意識が発現する場所である。

私たちから見て、真我が発現する場所が「瞬間もない今」、 それに対して、潜在意識が発現する場所が「瞬間の今」、そういう違いが両者の間にはあるわけです。 が、この違いを別の角度から眺めると次のように言い表すこともできます。

私たちが「瞬間もない今」に心を持って行った時には、真我が発現する。 それに対して、私たちが「瞬間の今」に心を持って行った時には、潜在意識が発現する。

私たちが、「瞬間の今」に心を持って行った時、潜在意識が発現することは、その時顕在意識の働きである思考が生じなくなることによっても裏付けられています。

そうしますと私たちは、真我を発現させるためには心を「瞬間もない今」に持ってゆく必要があり、潜在意識を発現させるためには心を「瞬間の今」に持ってゆく必要がある、ということになるわけです。

心を「瞬間の今」に持ってゆく方法とは?

が、ご存じのように、心を「瞬間もない今」に持ってゆく方法につきましては既に説明が終わっています。 なのでここからは、心を「瞬間の今」に持ってゆく方法についての説明をさせていただこうと思います。

心を「瞬間の今」に持ってゆくためには、一体どうしたらいいのか?

その方法を知るヒントは実は、私がこれまでお話ししてきたことの中にあります。 私がこれまでお話ししてきたことの中で、その方法を知るヒントになる部分は次の二つです。 おさらいのつもりでお聞きください。

A、「瞬間の今」とは、一瞬前から一瞬先までの時間の幅を持つ今のことである。

B、心というものは、一瞬前だけを振り返るようにすると自動的に、一瞬先までしか先回りできなくなる。

いかがでしょうか? これら二つのヒントから、心を「瞬間の今」に持ってゆく方法はおのずから見えてくると思うのですけれども。 いずれにしても、これらのヒントから導きだされる心を「瞬間の今」に持ってゆく方法を簡単に申せば、次のようになります。

心で一瞬前だけを振り返るようにする

心を「瞬間の今」に持ってゆく方法というのは、とどのつまりは、「心で一瞬前だけを振り返るようにする」というこの一言に尽きるんですね。その理由がまだ飲み込めてない方は、前出の二つのヒント(A、B)をもう一度よーくご覧になってください。ここではあえて、それについての解説は省略させていただきます。

心を「瞬間もない今」に持ってゆく方法も超シンブルでしたが、この心を「瞬間の今」に持ってゆく方法というものも、シンプルさではひけをとりませんね。

ちなみに、心を「瞬間もない今」に持ってゆく方法は、よもやお忘れではなかろうとは思いますが一応おさらいしておきますと、「心で過去を一切振り返らないようにする」というものでした。

なので、心を「瞬間の今」に持ってゆく方法と、心を「瞬間もない今」に持ってゆく方法の違いというのは、心で一瞬前だけを振り返るようにするか、それとも心で過去を一切振り返らないようにするかの違いだけ、ということになるわけです 。

ほんのちょっとの違いですね。 しかし、そのほんのちょっとの違いが、潜在意識を発現させるか真我を発現させるかの違いに繋がるのですから、軽んじることはできません。

「瞬過去ふりかえり法」=体を動かすことと心で一瞬前だけを振り返ることとを融合させる技法

さて、こういう話をいたしますと、一つ前の【瞑想系キレキレ身体動作法《本編》】などを通して、「瞬過去ふりかえり法」の何たるかを知っておられた方は、もう気づいておられるかも知れません。 「瞬過去ふりかえり法」というのは、体を動かすことと、心で一瞬前だけを振り返ることとを融合させる技法でもある、ということにです。

そう、「瞬過去ふりかえり法」というのはまさに、体を動かすことと心で一瞬前だけを振り返ることとを融合させる技法でもあるんですね。

「瞬過去ふりかえり法」を使うことによって私たちが、体を動かしながら、あるいは体を動かすことの中で、心で一瞬前だけを振り返ることを難なく実践できるのはそのために他なりません。

ちなみに、「瞬過去ふりかえり法」をまだご存じでない方のご参考のために申し添えておきますが、そのやりかたは次のようなものです。

一瞬前の身体動作を心で振り返りながら、身体動作をする。

いかがでしょうか? このやりかたで行けば、身体動作をすることと心で一瞬前だけを振り返ることとがうまくかみ合い、融合することが見て取れると思うのですけれども。

潜在意識を発現させることのメリット

さて前述のように私たちは、心で一瞬前だけを振り返るようにすることで、潜在意識を発現させることができるわけですが、潜在意識が発現したことの証しはまず呼吸にあらわれます。呼吸が潜在意識の発現と同時に、より深くて微細なものに変わるからです。これは、体に深いくつろぎをもたらしてくれます。

また、その証しは内面的には次のような二つの形であらわれます。リラックスした中での集中力がつくこと。そして、言語知もしくは思考以前の微細な想念が表に出てくること。この思考以前の微細な想念のすぐれた点は思考よりも柔軟で創造性に富んでいることです。

潜在意識を発現させることのメリットはざっとこんな感じですが、心で一瞬前だけを振り返るようにするという、極めてシンプルなやりかただけで、それらを獲得できるというのがすばらしいと思います。

まとめ

さてそれではここで、最後のしめくくりとして、これまでの話の要点をまとめさせていただきます。

一、「瞬間も無い今」に心を持ってゆくと心そのものが消え失せ、真我が発現する。それに対して「瞬間の今」に心を持ってゆくと思考が消え失せ、潜在意識が発現する。

二、「瞬間も無い今」に心を持ってゆく最も効果的な方法は、「心で過去を一切振り返らないこと(A)」。それに対して、「瞬間の今」に心を持ってゆく最も効果的な方法は、「心で一瞬前だけを振り返るようにすること(B)」。

三、Aと身体動作をすることとを融合させたものが「過去断ちの法」。それに対して、Bと身体動作をすることとを融合させたものが「瞬過去ふりかえり法」。

今回のお話の目的は、冒頭でも申し上げましたように、「瞬間もない今」および「瞬間の今」という二つのキーワードに絡めて、「過去断ちの法」および「瞬過去ふりかえり法」という二つの技法をより深く掘り下げることにありました。

が、以上をもって一通り、その目的は果たすことができたと思われますので、今回の話はここまでとさせていただきます。

中島タローでした。

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