テキスト版/瞑想系キレキレ身体動作法《本編》2/2

「瞬過去ふりかえり法」のやり方

ここからの話は「瞬過去ふりかえり法」についてのものになります。

「瞬過去ふりかえり法」とは前編でも申し上げましたように、潜在意識から身体動作を起こすための技法、もしくは潜在意識発の身体動作を実現するための技法に他なりません。

「過去断ちの法」が真我から身体動作を起こすための技法、もしくは真我発の身体動作を実現するための技法であることを考えますと、両者は、ある意味対照的な技法だとも言えます。なぜなら、潜在意識は私たちの心の中にあるのに対して、真我は私たちの心の外にあるからです。

しかしおもしろいことに、「瞬過去ふりかえり法」のやりかたというのは「過去断ちの法」のやりかたと、見方によっては、ほんのちょっとしか違いません。

その「瞬過去ふりかえり法」のやりかたを、一言で言うと次のようになります。

一瞬前の身体動作を、心で振り返りながら身体動作をする

この、「一瞬前の身体動作を、心で振り返りながら身体動作をする」、というシンプルなやりかたを通して私たちは、潜在意識から身体動作を起こせるようになるというわけです。ウソのような本当の話です。

ここに言う「一瞬前」とは限りなく今に近い「一瞬前」

が、ここに言う「一瞬前」という言葉には補足が要ります。それについて、お話ししましょう。

そもそも「一瞬前」という言葉は、その意味合いをよくよく考えてみると、あいまいな言葉だと言えなくもありません。なぜなら例えば、コンマ一秒前も、コンマ三秒前も、あるいはコンマ五秒前も、一瞬前という同じ言葉で言い表せるからです。私の感覚では、一瞬前、イコール一秒未満前の過去すべて、といったところでしょうか。

そうしますと問題は、前出の「一瞬前」という言葉はどのように解釈したらいいのか? ということになるわけですが、答えを先に申し上げますとそれは、限りなく今に近い「一瞬前」、と解釈したらいいのです。限りなく今に近い「一瞬前」、これが前出の「一瞬前」という言葉のより正確な意味合いなんですね。

その点を踏まえ、「瞬過去ふりかえり法」のやり方を より正確に言い直すとしたら、こうなります。

限りなく今に近い一瞬前の身体動作を、心で振り返りながら身体動作をする。

ということで私たちは、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際には、限りなく今に近い一瞬前の身体動作を、心で振り返り続けることが求められるのですが、そうしますと例えば、コンマ五秒前よりもコンマ三秒前のほうが、コンマ三秒前よりもコンマ一秒前のほうが、今に近い分だけベターであるという話になるわけです。

以上のことを、「ふりかえりの時間幅」という言葉を使って、別の角度からご説明したいと思います。ここに言う「ふりかえりの時間幅」とは、私たちが何秒前の身体動作を心で振り返ったのかを、秒数で表したものです。

なので例えば、私たちがコンマ一秒前の身体動作を心で振り返った場合の、「ふりかえりの時間幅」はコンマ一秒、また例えば、私たちがコンマ五秒前の、身体動作を心で振り返った場合の、「ふりかえりの時間幅」はコンマ五秒、という風になるわけです。

この「ふりかえりの時間幅」という言葉を当てはめて、前出の「瞬過去ふりかえり法」のやり方をさらに言い直すとしたら、次のようになります。

「ふりかえりの時間幅」を、限りなくゼロ秒に近いところに保ちながら、身体動作をする。

ちなみに、ご参考のために申し上げますが、先ほど取り上げた「過去断ちの法」のやりかたを、この「ふりかえりの時間幅」という言葉を当てはめて言い直すとしたら、次のようになります。

「ふりかえりの時間幅」を、ゼロ秒に保ちながら 身体動作をする。

「瞬過去ふりかえり法」をより早く自分のものにするコツ

さて、それではここで、以上を踏まえながら、「瞬過去ふりかえり法」をより早く自分のものにするためのコツを述べておきたいと思います。それは、次のようなものです。

「瞬過去ふりかえり法」を、より早く自分のものにするためには、最初のうちは、いきなり「瞬過去ふりかえり法」を実践しようとしないほうがよい。その前に、その準備として、「過去断ちの法」を実践するようにしたほうがよい。

つまり言い換えれば、まず先に、「過去断ちの法」を実践し、その後で、「瞬過去ふりかえり法」を実践する、という二つのステップを踏む形にしたほうがよい、ということですね。

もう少し詳しく説明すると、こうなります。まず第一ステップとして、「ふりかえりの時間幅」をゼロ秒に保ちながら身体動作をします。これは、「過去断ちの法」の実践に他なりません。で、その次に第二ステップとして、「ふりかえりの時間幅」を限りなくゼロ秒に近いところに保ちながら、身体動作をします。これは、「瞬過去ふりかえり法」の実践に他なりません。

こんな話をしますと、はじめからお目当ての第二ステップだけやればいいじゃないか! まだるっこしいぞ! てな声が返ってきそうですが、私に言わせれば、一見回り道にも見えるこのやりかたのほうが、第一ステップを省いていきなり第二ステップに入るやりかたよりも、第二ステップの意味が飲み込みやすいのです。そして、そのぶんだけ第二ステップをよりはやく自分のものにすることができるというわけ。

よく言うじゃないですか、急がば回れ! と。でも、当たり前のことではありますが、そのようなプロセスを経て、いったん、第二ステップを自分のものにすることができたら、もうその後は、いきなり第二ステップから入るようにしても構わないわけです。

「ふりかえりの時間幅」はゼロ秒に近いほどよい理由

ところで、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際、「ふりかえりの時間幅」はゼロ秒に近ければ近いほどよいことは前述の通りですが、皆さんはその理由がお分かりでしょうか? 「ふりかえりの時間幅」は、ゼロ秒に近ければ近いほどよい、と私が申し上げるのには、ちゃんとした理由があるんですね。

その理由をご説明するためにまず皆さんに思い出していただきたいのは、「瞬過去ふりかえり法」の存在目的です。繰り返しになりますが、「瞬過去ふりかえり法」の存在目的は、潜在意識から身体動作を起こすことにあります。潜在意識から身体動作を起こすための技法、それが「瞬過去ふりかえり法」なんですね。

が、潜在意識と一口に言ってもそこには、最も浅い層から最も深い層までの幅があります。波の下の海水にも、最も浅い層から最も深い層までの幅があるのと同じですね。

ここに言う潜在意識とは、言い換えれば、思考以前の、思考よりも微細な想念の出どころのことでもあるのですが、潜在意識の、より深い層になればなるほど、その想念の微細さは増してゆきます。潜在意識の深さと、そこから出てくる想念の微細さは、比例しているわけです。そして想念は微細になればなるほど、柔軟性と創造性を増してゆきます。

で、ここで、「瞬過去ふりかえり法」の話にもどりますが、「瞬過去ふりかえり法」というのは角度を変えて申せば、身体動作を通して、前述のような内実を持つ潜在意識との繋がりを強くする技法、という側面も持っています。

つまり私たちは、瞬過去ふりかえり法」の実践を通して、前述のような内実を持つ潜在意識との繋がりを強めてゆくこともできる、というわけです。「瞬過去ふりかえり法」には、付加価値としてのこういう側面もあるんですね。

それが分かったら誰でも、「瞬過去ふりかえり法」を実践するに当たっては、こう思うのではないでしょうか。同じ「瞬過去ふりかえり法」を実践するなら、潜在意識のできるだけ深い層から身体動作を起こせるようになりたいものだ、と。

今の話に照らせば、そうすることで私たちは、より高い柔軟性とより高い創造性を持つ、より微細な想念の出どころ、すなわち潜在意識のより深い層との繋がりを強めてゆけるわけですから。

が、その思いを叶える方法が一つあります。それは、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際の、「ふりかえりの時間幅」を可能な限り、ゼロ秒に近づけることです。

そう言える理由は、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際の「ふりかえりの時間幅」はゼロ秒に近ければ近いほど、、潜在意識の、より深い層から身体動作を起こせるようになっているからです。ここに言う「ふりかえりの時間幅」の小ささ、もしくはゼロ秒への近さと、身体動作を起こす潜在意識の層の深さとは、比例しているんですね。

それがあるからこそ、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際は、「ふりかえりの時間幅」をできるだけゼロ秒に近づけるようにすることが望ましい、というわけです。

が、だからといって、それならばいっそのこと「ふりかえりの時間幅」をゼロにしてしまえばいいじゃないか、なんて考えはなさらないでくださいね。

「ふりかえりの時間幅」をゼロにしてしまったら、それはもう「瞬過去ふりかえり法」ではなく、「過去断ちの法」になってしまいます。そして、「過去断ちの法」になってしまうと、顕在意識も潜在意識も全部ひっくるめた心そのものが、脇に置かれてしまうことになります。

従って、もしもあなたが「瞬過去ふりかえり法」の達人を目指されるのであれば、「瞬過去ふりかえり法」を実践する際は、「ふりかえりの時間幅」を可能な限りゼロ秒に近づけながら、もう一方ではそれが決してゼロ秒にはならないようにすることも忘れないという、繊細な芸が求められることになるわけです。