私たちが感じることのできない「今」

2019-04-08

「時計の秒針を見つめる方法」という名のメソッド

思考が関わりを持てるのは過去に存在したものだけである、という見解が多くの人の賛同を得やすいのに対して、感覚(フィーリング・心の感じる働き)が関わりを持てるのも過去に存在したものだけである、という見解は中々多くの人の賛同を得にくいのではないでしょうか。少なくとも現在のところは。

いずれにしても、思考がそうであるのと同じように感覚が関わりを持てるのも過去に存在したものだけである、ということを体験的に理解するための方法を一つ、ここでご紹介したいと思います。

その方法は私が「時計の秒針を見つめる方法」と呼んでいるものですが、この呼び名からもお察しいただけますように、時計の秒針を見つめることがこの方法の基本になっています。

用いる時計は秒針が動いているものなら何でもいいとはいえ、見やすいに越したことはありませんので、目覚まし時計のような大き目のものがオススメです。

で、その「時計の秒針を見つめる方法」の具体的な中身ですが、これは二つのステップから成っておりまして、それぞれのステップを簡単に説明すると次のようになります。

・第一ステップ→秒針を見外さないように見つめ続けること。

・第二ステップ→その途中で秒針を(心で)感じることを試みること。

一つづつ詳しく見てみましょう。

その第一ステップ

まず第一ステップの「秒針を見外さないように見つめ続けること」についてですが、やってみればお分かりのようにこれが実践されている時、実践者は今に在ることができています。

その理由を説明しますと、秒針が存在している唯一の時間が今であることはご存じの通りですが、その今にのみ存在する秒針を見外さないように見つめ続けるためには実践者もまた今にのみ在る必要があるからです。

今にのみ在る者だけが、今にのみ在るものを見外すことなく見つめ続けることができるというわけです。

ここに言う「今にのみ在る」は言い換えれば「心を過去にも未来にも向けない」ということでもありますが、「心を過去にも未来にも向けない」と心はどうなるかと言いますと脇に置かれます。心は過去か未来のどちらかを向いている時だけ存在を保つことができるという性質を持っているために、そうなるんですね。

それを考えると、まるで心に対する嫌がらせのためにあるような第一ステップだとも言えるかも知れません。いずれにしてもこのようなわけで、前出の第一ステップが実践されている時というのは、実践者が無心状態になれている時なのでもあります。

ちなみに、そういう中で秒針を知覚している者こそは実は私たちの無形の眼とも言うべき真我に他なりません。それゆえ第一ステップは、真我でモノを知覚するということの意味を体験的に知るためのステップという側面も持ち合わせていることになります。

その第二ステップ

次に第二ステップの「その途中で秒針を(心で)感じることを試みること」についてですが、これまたやってみればお分かりのようにその試みが実践された時、実践者は秒針を見外しています。

その理由を説明しますと、第一ステップの実践時、すなわち秒針を見外さないように見続けている時、私たちが無心状態になれていることは前述の通りですが、秒針を(心で)感じるためには秒針を見外してその無心状態を破る必要があるからです。

一時的にせよ秒針を見外すことをしなければ無心状態は維持されたままであり、無心状態が維持されたままであれば当然のこととして、秒針を(心で)感じることはできなくなるというわけです。

ここに言う「秒針を見外す」は言い換えれば、今あるリアルな秒針ではなく心に残った秒針の残像すなわち「一瞬前という名の過去」の秒針に注意を向けるということでもあります。それをしてはじめて私たちは、秒針を(心で)感じることができるものなんですね。ウソだとお思いならぜひ、第一、第二ステップを実践してみてください。

感じることが不可能な「今に在るもの」と「今」

思考がそうであるのと同じように、感覚すなわち心の感じる働きが関わりを持てるのも過去に存在したものだけであるという先ほどの話は、このことからも証明されるはずです。ついでに、「真我で知覚する」と「感じる」は別物であることの証明にも、それはなると思います。

感覚すなわち心の感じる働きが関わりを持てるのも過去に存在したものだけ、ということは言い換えれば、私たちは今在るものを感じることはできないということ、引いては、私たちは今を感じることはできないということに他なりません。

「今を感じる」なんて物言いを時たまスピリチュアル界隈で見かけますが、あれは一体何なんだ! と思わずにはいられない今日この頃であります。

今回の話は以上です。

中島タローでした。

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